やるせなさ
2006年 04月 30日
最近の使い勝手を確認に訪問した。
彼女はいつもの明るい笑顔で迎えてくれた。
お母さんが病気で足が不自由になりそうだから段差の多い
トイレや洗面所、お風呂をバリアフリーにし寒さも解消させて
あげたいという思いでリフォームしたいとのことだった。
病院に入院中に作業を終え、完全に出来上がったところで
退院させ驚かせてあげたい。と言う。
その思いを共に作り上げ引き渡していたのだが、お母さんが便利に
使っていてくれているのか心配だったので時々電話で近況を聞き
『大丈夫。なんだかんだ言いながら便利に使っているよ。』と
いわれ安心していた。
最近、忙しく連絡も滞っていたので、近くに行くので訪問したいと
伝え約束をした。
初めてお母さんに会えると思い、聞いてみたら・・・
『お母さん、1月末に亡くなったの。』 と・・・
『えっ ・・・ 』 絶句。
『ちょっと、早かったんだけどね。お風呂もトイレもちゃんと自分で使って
よろこんでくれた。面と向かっては言われてないけど、親戚の人たちに
家が良くなったから見に来て。って言ってたって。』
心配かけまいと大丈夫そうに振舞う彼女の姿は痛々しかった。
もっと、もっと話したり、何かしてあげたかったに違いなく
季節の祭事もどんな風にしていたか聞きそびれたと話していた。
数年前にお父さんを亡くし、お母さんと二人暮しだった彼女。
いつかは、旅立っていくとわかっていても その時を直面すると
やるせない。何もしてあげられないのだけど、何か力になれたら
いつでも呼んでと伝え、帰路に着いた。
どうぞ、空の上から、いつまでも彼女のことを見守ってあげて下さい。